6月佛教講話会ご報告

長野県 常円寺 角田泰隆老師

角田 泰隆 老師

【講 師】 長野県 常円寺 角田泰隆老師

【日 時】 6月11日(土)午後3時~

【演 題】 NHKテキストによる 道元『正法眼蔵』をよむ

講話会より
道元禅師の『正法眼蔵』は、難解な書物として知られる。

道元禅師ご染筆によるもので残っているものは少ないが、流麗な筆文字で難解な文章が記されているのを見ただけで頭を抱えてしまう。

実際、私も大学で佛教を学び始めたころは、佛教とは何も特別なことではなく、普通のことを説いている分かりやすい教えだと思っていた。

ところが、学ぶにつれ段々とその奥深さを感じるようになり、正直、難しいと思うようになって来た。

曹洞宗には、お二人の禅師様がおられる。

宗祖である道元禅師、そして、多くの在家の人々に道元禅師の教えを広められた四祖瑩山禅師

道元禅師は、中国で佛教を学ばれ、禅宗とか、曹洞宗という括りにとらわれない真の佛教「正伝の佛教」を日本に伝えたいとお考えになった。

「本来本法性 天然自性身(ほんらいほんほっしょう てんねんじしょうしん)」

佛教とは、何も特別なものを身に付けるのではなく、今、自分が与えられているものが素晴らしいものであることに気付く。その気付きをスタートに今のこの現状に不満を持つのではなく、感謝することから生きるということは始まるのだと道元禅師は説かれる。

学んだ教えを多くの人に広め、佛教の教えの深さを伝えるにはどうすればいいのか、道元禅師は随分悩まれたのではないか。

そして今現在の人々とともに、さらに未来の人々に向けて正伝の佛教を伝える為、『正法眼蔵』執筆へと、その思いは繋がって行ったのではないだろうか。

教えは、伝えていかなければならない。

本来、佛教では言葉や文字では真実は伝えられない、しかも教えは師匠から、その弟子に伝えていくべきものとされてきた。

「以心伝心」という言葉に代表されるように、言葉によらず弟子に伝えていくことは、心から心へ伝わったとする。

それは、言葉では言い尽くせない教えが師匠の所作ひとつ、姿、物腰から直に伝わって弟子へと正伝されていくからだ。

この「伝える」という難解な行為を言葉によって示そうとされたのが、道元禅師であり、『正法眼蔵』なのだ。

文字では、真実は伝わらない。

けれども、そこを押して文字で佛教を伝えようと決意されたというところに道元禅師の強いご覚悟を感じる。

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