10月佛教講話会のご報告

佐藤達全先生

日時 10月21日(土)午後7時~
講師 群馬県常仙寺住職・佐藤 達全先生
演題 『仏教に学ぶ 地球の未来と〈いのち〉をまもるための生き方』

水が豊かな日本人にとって「水は、ただ」という意識が強い。
しかし、今、地球の温度は年々上がり続け、各国で深刻な問題が起きています。

干ばつ、森林火災が続き、これから気温が4度上がれば水は、なくなってしまうということも言われています。
また逆に、海面の上昇、洪水で世界の中には水没するところも出てくる。

雨の様子が変化すれば、作物にも影響が出る。

今年の日本はどうだったのかというと、猛暑のため、米は一等米は採れず、二等米しか収穫できなかったという報告がありました。
地球温暖化現象の影が確実に私たちの身近な生活の中に影を落とし始めています。

その中で私たちは、この先をどのように生きていけば良いのでしょうか。

先ず、消費は美徳だと言われた時代は終わったのだと認識すること。
大量生産、大量消費から抜け出し、地球の資源は有限だということを忘れないことです。

その生き方のヒントになるのが佛教なのです。

佛教は、世の中にあるすべてのことが単独では存在し得ないという「縁=かかわりあい」を中心に置いた教えです。

「勿体ない」という言葉が、ノーベル平和賞受賞者のケニア人 ワンガリ・マータイさんのスピーチで一躍注目されたことがありますが、「勿体ない」は実は佛教のことばなのです。

自分が生きていることに感謝し、他の「いのち」も大切にする心を意味しています。

自分だけがこの地球上に生きているわけではなく、他との繋がりの中で生かされているのが「いのち」という存在なのです。
ですから人間中心の生き方では地球の滅亡を招くことになる。

無駄を省き、自然の恵みを分かち合いながら、人間も動植物もつながり合いながら共生していく世界こそ大事なのです。

日本では「八百万の神」という考え方があります。
ありとあらゆるものに神様、仏様がおられ、総てのものに「いのち」が宿っているという考えと、佛教の教えを日本人は改めて意識するときが来ているのです。

人間は、生きているのではなく、生かされているという感謝の思いが根底にあることが大事なのです。

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