5月神應院佛教講話会のご報告

有馬 嗣朗 老師
5月 神應院佛教講話会
【講師】 山口県 原江寺住職 有馬 嗣朗老師
今回5月の講話会は、山形の三部義道老師が天候不良で飛行機が欠航し、お越しになれませんでした。そのため急遽、山口県から原江寺住職 有馬嗣朗老師がピンチヒッターでお越し下さいました。
原江寺先代さまの有馬実成師は(社)シャンティ国際ボランティア会の専務理事としてインドシナ難民キャンプでの活動開始からシャンティを支えてこられた方でした。
その先代様の足跡を辿るように嗣朗師ご自身も、ボランティア活動に携わっておられます。
その活動の中で感じられた佛教の姿をお話し下さいました。
捨身施(しゃしんせ)という教えが佛教にはあります。
布施というと、今や金銭という感覚が一般には強くありますが、本来の布施は、もっと多様なのです。
その中の捨身施ということをお話ししたいと思います。
捨身施とは、自分を犠牲にすることではありません。
例えば毎日の習慣として、布施を行なう。
自分の食事の一部を分ける。
アジアでは、托鉢(僧侶が家々を歩いて施しを受けること)に訪れた僧侶に自分の食事の一部を分け与えたりします。
これは、特別に布施するために用意したものではなく、あくまで今在る自分の物を一部分け与えるということです。
捨身施とは、自分の生活を犠牲にして他を救う行為だと考えるのも誤りです。
自分の生活は確保しつつ、他の人を援助する。
自分の生活の中に、他の人のことを“ちょっと、心配する”、“ちょっと、援助する”ということを続けていく。
その“ちょっと”を続けることが大事です。
そして自分の中の思い込みを捨てることが、正しい道への第一歩となるのです。
これがボランティアとう実践を通して、私が感じた佛教観なのです。