冬の寒さの中、コロナ禍でもあり、外出はめっきり減った。
空いた時間を使って、今まで出来なかった家の片付けをやったらいいと思いながら、つい
嫌なことからは目を背けてしまう。
まあ、急がなくても時間はあるのだからと「後で」が続いている。
苦手なことはどうしても見てみぬふりをして、思い切って行動に移すことが出来ない。
我が身のお尻の重さに自分のことながら呆れてしまう。
どうすればテキパキ自分を動かすことが出来るのか。
前日に明日の「やらなければならないこと」を箇条書きにして、朝起きると同時にスタートを切ることにした。
目覚ましの音が鳴り、パチリと目を覚ますと一日の始まりだ。
洗面を済まし、洗濯物を干し、朝食準備を開始する。
午前中、5個の課題の内ふたつは出来た。
昼食を作って、片付けを終えると、来客があったり、買い物に行ったり、早くも夕暮れだ。
窓から見える薄暗がりに気持ちを急かされながら取り込んでいた洗濯物を畳み、風呂の掃除をする。
夕飯まで制限時間いっぱいとなるが、まだ課題は三つも残っている。
けれども夕飯に取り掛からなければ間に合わない。
積み残した課題に未練を残しながら、夕飯の支度にとりかかる。
家族が揃って、夕飯時間。
一日の終わりに家族それぞれの話題が食卓に上り、すっかり気持ちも緩んでしまった。
しかし今日の課題は、まだ三つも残っている。
お腹は満腹で、ストーブを背に身体はホカホカと暖かい。
知らぬ間に瞼がつむり、楽しみにしている食後のテレビ番組も半分ぐらいしか見ていない始末だ。
でも、夕飯の片付がまだある。
残り物を冷蔵庫にしまい、洗い物を片付ける。
明日の朝食のセッティングをテーブルに並べると、もう一日が終わった気分だ。
しかし、まだ三つの今日の課題は残ったままだ。
時間のやり繰りが出来なかったと思う後悔と、やり遂げられなかった罪悪感を抱えたまま、楽しみにしているドラマを観ることに逃避しようとテレビの前にどっかりと座る。
すっかり、くつろいだ気分。
もういいじゃないか、自分なりに出来るだけのことはした、よくやったよ、がんばったよと思うものの、反対に予定した課題が出来なかったことに後味の悪さを感じ、自分の不甲斐なさを思って落ち込む。
結局、思考の末に落ち着いた先は、「やっぱり自分は自分らしく、自分のペースで」ということだった。
自分のペースで無理なく、気楽に。
人生、これに限ります。