『六つの教え』
春のお彼岸、夏のお盆の「方丈の間」では、縁についてお話ししました。
自分のいのちが、どれだけ多くの縁の繋がりによって存在しているのか、計り知れない縁の中で私は存在しているのだということ。
そして、その命は他の命を頂きながら生きている。目に見えるもの、自分が意識していない目に見えない命の恩恵を受けて今、自分の命は存在している。そのことを紙面を通じて皆さまに提示してきました。
今回の「方丈の間」では、自分の命と他の命。自分の存在の陰にある沢山の命とどう向き合っていくのか。
佛教では、その点をどう説いているのか。
お釈迦さまの教えを紐解いてみようと思います。
佛教には「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という教えがあります。
お釈迦さまは、私たちに「命は大切にしましょう。私の命も、あなたの命も一緒。総ての命は皆平等であり、大事なものなのだ。その大事な命がお互いに影響し合いながら存在している」と説かれています。
お互いが大切に存在していくには、この六波羅蜜という六つの徳目を守っていかなければならないと教えられました。
① 布施(ふせ) 世のため、社会のために尽くす。思いやりを持つことを常に意識しましょう。
② 持戒(じかい)人間としてやってはいけない悪しき行為を戒め、戒律を守りましょう。
③ 精進(しょうじん)何事も一所懸命に取り組むこと。一日一生の思いで努力しましょう。
④ 忍辱(にんにく)人生には苦難は付きもの。苦難に負けず、生かされて生きていることを認識しましょう。
⑤ 禅定(ぜんじょう)落ち着いた静かな心を養い、自分を見つめ、精神を集中しましょう。
⑥ 智慧(ちえ)布施、持戒、精進、忍辱、禅定の五つの修行に努めましょう。
お釈迦様が示されたこの六つの戒め。これを全員が実践していけば落ち着いた平和な日々を送ることが出来ると私は信じています。
先ず自分の命に感謝し、周りのあらゆる存在に感謝し、我が身の心の働きを整えていけば、素晴らしい世界になるのではないでしょうか。
皆さん、お彼岸をスタートにこの六つの教えを実践してみようではありませんか。
合掌
神応院住職
西村 英昭
