「生命のつながり」
前回、私たちひとり一人には必ず両親が存在する。
そしてその両親にもそれぞれの両親がいる。
その繋がりを辿ってみると膨大な数の人が網の目のように繋がって、今の自分に辿り着く。
見たこともない、会ったこともない自分に連なる過去の人々の存在のお陰で今の自分は在るわけです。
決して自分ひとりの力だけで私の命は存在しているのではないのです、という内容を「なごみ」に書かせて頂いたことがあります。
今回、そうすぐお盆が来るねと檀家さまと話しているときに、ふと毎年神應院の佛教講話会のご講師としてお越し頂いている佐藤達全先生の御著書で『仏教保育のこころ』に書かれている一文を思い出しました。
― 奇跡の星と言われる地球が誕生したのは今から四十五億年も前のことでした。
奇跡という理由は無数の星の中で地球にしか生き物が存在しないからだそうです。
けれども生まれたばかりの地球は、どろどろした熱い岩の固まりで生き物は何もいませんでした。
それから五億年ほどの年月が経過して海の中にバクテリアのような原始的な生物が誕生したのです。
そしてさらに五億年もの時間をかけて植物プランクトンのようなものが現れました。
この生物は二酸化炭素を吸って酸素を吐き出すため空気のような物質が増えて次第にさまざまな生き物が生まれて来たのです。
海から陸上に上がった生き物もいました。恐竜のような大型の生物も出現しました。・・・後略」 ―
佐藤達全著『仏教保育のこころ』より
四十五億年前に地球が誕生し原始的な生物が地球上に誕生したのが四十億年前、それから今日に至る迄、延々とした命の繋がりが絶えることなく繋がってきた、この事実を私たちは強くしっかりと受け止めねばならないと思います。
ひとり一人の色々な思いがあるであろうと、この事実は消すことの出来ない絶対的な事実なのです。
私たちは、どんな状態であろうともこの事実、真実に感謝しなければならないのです。
こうした事実を知ったならば、まず一番身近な親に対して感謝をし、親を育てて下さったそれぞれの祖父母に感謝し、曽祖父母に感謝し、身近な実感のない先祖に感謝しましょう。
そして心の中に先祖の皆様をお迎えし、今の自分の姿を見て頂き思いを知って頂く為に掌を合わせ、静かに語ってみませんか?
それが、お盆の行事であり、供養なのだと思います。
お墓参りも同じこと。そこで御先祖様と心を通わせていけるのです。
お盆とは、身近な先祖を中心として命の繋がりを感じながら、更に広く深い深い命の繋がりに感謝すると共に命の不思議さ、大切さ、自分自身の命の重要性と意義を認識し直す反省の時や場としてあるのだと感じております。
改めて考えてみませんか。
合掌
神応院住職
西村 英昭
